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イベントガイド 京漆器とは? これからの京漆器を考える 京都漆器工芸協同組合について 資料コーナー
漆の精製
  漆の製造にはその精製加工の工程において「ナヤシ」及び「クロメ」と呼ばれる加工が行われる。 「ナヤシ」とは精製漆の乾燥被膜に光沢及び肉持ちを与えるために、原料の生漆の粘度に応じて2〜3時間程度クロメ機(撹拌機)にてまぜる事をいう。 又、「クロメ」とは「ナヤシ」の加工に引き続き、混ぜながら熱を与えて水分を除去する事をいう。この場合、熱源は電熱、ガス、炭火等が用いられ、加熱の温度は40度以下で行われます。
木地作り
  一般 に漆器の木地の材料は、ヒノキ、スギ、ケヤキ、トチ、キリ等使われている。椀、鉢等を作る(椀物木地作り)箱などを作る(板物木地作り) 丸い曲物等を作る(湯曲げ木地作り)等に分けられる。 箱物を作る手順として次の作業が行われる。
木取り一荒削り一仕上削り一留め作り一きわ欠き一枠組み 隅木入れ一底板作り一底板入れ一隅丸作り一仕上げ
漆塗りの下地
  素地を強固にし、痩せを防ぐと共に、美しく仕上げるため、次のような工程を行う。
(刻そ)まず木地の継ぎ目に溝を彫り、その部分に漆、米糊、木地粉、綿を混ぜた刻そ漆を埋めて補強する。
(木地固め)木地表面に直接生漆を摺り込み、素地を丈夫にする。
(布着せ)糊漆で麻布を貼る。
(地付け)砥の粉と少し粒子が荒い地の粉を漆と水で練り合わしたものを、ヘラで付けて乾燥させる。
(くくり錆)角、面の補強と美しさを表現するため、漆を多めに入れた錆を付けて乾燥させる。
(錆付け)砥の粉を漆と水で練り合わしたものを数回ヘラで付け乾燥させる。
漆塗りの下地研ぎ 中研ぎ
  錆付けした器物が平滑に成る様に砥石を用いて水研ぎする。特に器物の隅、角をととのえる作業が、器物の善し悪しを決める。 さらに、生漆を摺込み(仕上げ錆固め)を終えた器物に、同色の漆を用いて中塗りをする。 (中研ぎ)充分乾燥させた後、静岡炭等を用いて、平滑に成る様に水研ぎをする。
上塗り
  下地が終わると次に下塗り、中塗りの工程を経て、吉野の紙数枚重ねてこした漆を、女性の毛髪で作られた刷毛を使い上塗りが行われる。
上塗りには(真塗り)黒漆を塗る(色漆塗り)顔料を混ぜてよく練り込んだ色漆を塗る。(呂色塗り)後で行う艶上げを良くするため、油分を含まない漆で塗る。 (透漆塗り)透明な漆を塗って木地の木目の美しさを見せる。 (変わり塗り)刷毛目塗り等、多種の塗りがある。
節上げ
  上塗りが終わって刷毛目がやや落ち着いたとき、塗面 に付着しているほこりを、鳥の羽軸の先で拾い上げる。
呂色
  上塗りし、充分乾燥させた後、次の4つの工程を経る。
炭で表面を研ぐ 砥の粉等で磨く(水胴摺) 摺漆をする なたね油と鹿の角粉等を使い手で磨く 漆の表面 を鏡の表面のように美しく仕上げるためには3. 4.の工程を数回繰り返す。 永い経験と勘をいかしながら深みのある漆黒の漆面 に仕上げる。
蒔絵
  蒔絵は日本漆器を代表する技法で、平安時代に京都で完成された加飾の技法です。漆で塗り上げられた器物に、何十種という刷毛や筆を使い、漆で模様を描き、その漆の乾かないうちに金粉などを蒔きます。そして金粉の荒さを変えたり高くあげたり、ぼかしたり、色を変えたりして模様の立体感をかもしだします。特に、絵の品位 の善し悪しがきまる仕上げの線かき(毛打ち)こそ、腕の見せ所です。図案から手法に至る総合的な使い方は、永い歴史と自然環境の中で、継承されてきました。
蒔絵の技法
  (研出蒔絵)漆で文様を描き、金粉を蒔き乾かし、金粉を蒔いた蒔絵の上に、漆を全面 に塗り、乾燥後木炭で平らに文様を研きだし、みがき上げ、仕上げる方法。  (平蒔絵)漆で文様を描き、漆固めをして仕上げる方法。  (高蒔絵)あらかじめ高く盛り上げて、その上に平蒔絵の技法で仕上げる方法。 (ししあい肉合蒔絵)研出蒔絵、平蒔絵、高蒔絵などを併用したもの。 (梨子地)梨子地粉を蒔き、透明漆を塗り研ぎ出した方法。
螺鈿・青貝
  夜行貝や蚫貝等の貝片をちりばめ文様を表す技法で、厚貝(厚さ約1.5ミリ一3ミリ)を用いたものを螺鈿。薄貝(厚さ約0.3ミリ)を用いたものを青貝とよんでいる。 螺鈿は唐より伝わり奈良時代に盛んに行われ、平安時代に和風化されていった。一方青貝は貝を薄くする技術が発明され明国より日本に伝わり朝鮮半島をはじめ、アジア一帯に広く普及しそれぞれ独特の作風を持った作品が作られ、貝自身の放つ自然の輝きが人々を魅了してきた。
京漆器の歴史
   
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